- オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。
先日病院猫のアミカをご紹介しましたね(参照:『ボク・・・アミカ』)
彼はオークどうぶつ病院けやきの大先輩でもあります。
16歳と高齢ですが、今も色んな病気と闘いながら元気に過ごし、スタッフを癒してくれてます。
ちなみに僕が見に行くと、こんな感じでケージの奥に逃げます↓
すっかり嫌われてますね。。。(-_-;
そんなアミカですが、4年前の春(2014年4月)に急激に体重が減りまして、検査で甲状腺機能亢進症が見つかりました。
甲状腺機能亢進症は、1979年に初めて報告された新しい猫ちゃんの病気で、なぜか日本の猫での発生が近年増加しております。
原因はハッキリ分かっていませんが、日本の猫での発生が多い→地域によって発生率が異なる→ナゼ??
・・・ということで、食事も含めて何か環境的な要因(環境ホルモンが原因説など)が関与しているのではと疑われております。
病気について詳しく知りたい方は、老猫の予防ページ『猫の甲状腺機能亢進症』をご覧ください。
甲状腺機能亢進症に多い症状ベストテンを順に挙げると、
1.体重が減る(92%)
2.たくさん食べる(61%)
3.水を飲む量が増える、尿量が増える(47%)
4.活発になる、落ち着きがない(40%)
5.下痢や便の回数が増える(39%)
6.吐く(38%)
7.薄毛や毛玉、皮膚が乾燥したりべとつくなどの皮膚の変化(36%)
8.呼吸困難や頻呼吸などの呼吸器症状(23%)
9.食欲がない(14%)
10.元気がない、無気力(11%)
症状で注目すべき点は、2位~4位までの症状(たくさん食べる・水をよく飲む・活発になる)は、病気の症状とは思えないので、飼い主さんに気づかれにくいということです。1位にあるように「体重が減った」としても、『最近やせてきたけど、よく食べてるし元気だし、年のせいかな~?』という風に、しばしば見逃されます。。。
甲状腺ホルモンは、全身の様々な臓器の代謝を上げ活発に動かすホルモンです。
その働きが高まることで、一見元気そうに活発になったり食欲が上がったりします。しかし、食べても代謝が活発になってるため、太りません。
そこで病気の症状と気づかずに経過すると、最終的には体重が落ちたり筋肉が衰えたり高血圧が起きたりした結果として、9位~10位のように食欲がなくなったり元気がなくなったりもするのです。
また、甲状腺ホルモンは心臓に対しても心臓の収縮力を高めたり血流量を増やしたりしますので、まれに心筋症やうっ血性心不全という心臓病になり見つかった時には命にかかわる状況ということもあるのです。
上記のような症状があった場合は、早めに検査をオススメします。
オークどうぶつ病院では、院内検査で甲状腺ホルモンT4が測定できますので、即日診断可能です。
中編へと続く。。。