アミカの病気②~甲状腺機能亢進症・中編

2018年05月22日 (火)

オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

先日、うちのアミカの病気甲状腺機能亢進症についてお話しましたね。

前回記事をまず読みたい方はコチラをご覧ください。

 

前回、猫の甲状腺機能亢進症の症状をお伝えしました。

疑わしい猫ちゃんに、ご自宅でできる「甲状腺の触診」という検査があります。

もちろん僕ら獣医師でも、触診で答えが100%分かるわけではないのですが、甲状腺が明らかに触れるくらい大きく前回記事のような症状がある場合は、甲状腺機能亢進症の疑いが強くなります。

 

まずは猫ちゃんの甲状腺の解剖です。

上図のように、猫の甲状腺は、のどの下の首を走る気管の横に左右にあります。

 

触診の方法は、以下の通りです。

1.上図のように、猫の頭を上に向けます。

2.中央に真っすぐ堅く触れるのが「気管」です。その気管を親指と人差し指で左右からつまむようにして、上下へと滑らせます。

3.のどの下⇔前胸部と上下に何度も滑らせていると、その指に「プルン」と触れては逃げるのが「甲状腺」です。

 

甲状腺機能が正常な高齢猫ちゃんでも、触れる子はたくさんいますので、「うちの子、触れたから病気だ~!!」と慌てる必要はありませんよ。まずは病院にお越しいただいて、甲状腺ホルモン測定の検査を行ないましょう。

 

猫ちゃんの甲状腺機能亢進症は、10歳を過ぎたあたりで発生頻度が高くなります。

 

難しい方法ではありませんので、10歳以上の猫ちゃんを飼っている方は、ぜひご家庭でやってみてくださいね。

 

 

・・・・・前置きが長くなりましたが、アミカについての病気の話の続きです。

甲状腺機能亢進症と診断されたアミカですが、まずは内科療法を行っていきます。

 

 

内科療法には2つ方法があります。

 

1.チアマゾールという甲状腺ホルモンを抑える薬を服用する方法

錠剤のおくすりを朝晩(あるいは1日1回)飲ませて、甲状腺ホルモン分泌を抑える治療法です。

少ない量から始めて、甲状腺ホルモンT4値をチェックしながら増量し、その子に対しての適量を決めていきます。

一度用量が決まっても、定期的にT4をチェックする必要があるのと、生涯にわたってお薬を飲まなければなりませんが、大きな副作用も少ないので、日本国内では最も一般的に行われている治療方法です。

 

2.食事療法でコントロールする方法

ドライフード(1種類)と缶詰(1種類)があります

 

ヒルズのy/dという療法食を用いて、食事で甲状腺ホルモン分泌を抑えていく治療法です。

y/dというフードは、特殊な製造工程で、体の中で甲状腺ホルモンの原材料となるヨウ素(ヨード)を極限まで抑えてフードを製造しています。そのフードを毎日食べ続けることで、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素を体の中から枯渇させて、ホルモン分泌を抑えていく方法です。

副作用がない点がメリットですが、おやつや人間の食べ物、同居猫や犬のフードを少しでも口にしてしまうとヨウ素を摂取してしまいますので、効果がありません。

そのため、フードなら選り好みせず何でも食べる猫ちゃんで、単独飼育(1頭だけで飼われている)の猫ちゃんが適応となります。

 

 

うちのアミカはというと・・・

大変グルメに育ちました。病院で粗食に耐えさせてたはずなんですけどねぇ。。

食べ物へのこだわりが強く、何種類かのフードをミックスしてあげても、嫌いなフードだけより分けて残します。

 

そんなアミカにはy/dは難しく、必然的にチアマゾールの服用となりました。

甲状腺ホルモンT4の正常値は1.0~5.0 μg/dLですが、病気発覚時点での数値は6.5 μg/dLでした。

チアマゾールを服用して、T4値がおおよそ3.0 μg/dL前後で推移し、特に副作用もなくコントロールできましたよ。

 

 

後編へとさらに続く。。。

 

 

うっとり♡

アミカの病気①~甲状腺機能亢進症・前編

2018年05月13日 (日)

  1. オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

先日病院猫のアミカをご紹介しましたね(参照:『ボク・・・アミカ』

彼はオークどうぶつ病院けやきの大先輩でもあります。

16歳と高齢ですが、今も色んな病気と闘いながら元気に過ごし、スタッフを癒してくれてます。

 

ちなみに僕が見に行くと、こんな感じでケージの奥に逃げます↓

すっかり嫌われてますね。。。(-_-;

 

 

そんなアミカですが、4年前の春(2014年4月)に急激に体重が減りまして、検査で甲状腺機能亢進症が見つかりました。

 

甲状腺機能亢進症は、1979年に初めて報告された新しい猫ちゃんの病気で、なぜか日本の猫での発生が近年増加しております。

原因はハッキリ分かっていませんが、日本の猫での発生が多い→地域によって発生率が異なる→ナゼ??

・・・ということで、食事も含めて何か環境的な要因(環境ホルモンが原因説など)が関与しているのではと疑われております。

 

病気について詳しく知りたい方は、老猫の予防ページ『猫の甲状腺機能亢進症』をご覧ください。

 

 

甲状腺機能亢進症に多い症状ベストテンを順に挙げると、

1.体重が減る(92%)

2.たくさん食べる(61%)

3.水を飲む量が増える尿量が増える(47%)

4.活発になる、落ち着きがない(40%)

5.下痢や便の回数が増える(39%)

6.吐く(38%)

7.薄毛や毛玉、皮膚が乾燥したりべとつくなどの皮膚の変化(36%)

8.呼吸困難や頻呼吸などの呼吸器症状(23%)

9.食欲がない(14%)

10.元気がない、無気力(11%)

 

症状で注目すべき点は、2位~4位までの症状(たくさん食べる・水をよく飲む・活発になる)は、病気の症状とは思えないので、飼い主さんに気づかれにくいということです。1位にあるように「体重が減った」としても、『最近やせてきたけど、よく食べてるし元気だし、年のせいかな~?』という風に、しばしば見逃されます。。。

 

甲状腺ホルモンは、全身の様々な臓器の代謝を上げ活発に動かすホルモンです。

その働きが高まることで、一見元気そうに活発になったり食欲が上がったりします。しかし、食べても代謝が活発になってるため、太りません。

 

そこで病気の症状と気づかずに経過すると、最終的には体重が落ちたり筋肉が衰えたり高血圧が起きたりした結果として、9位~10位のように食欲がなくなったり元気がなくなったりもするのです。

 

また、甲状腺ホルモンは心臓に対しても心臓の収縮力を高めたり血流量を増やしたりしますので、まれに心筋症やうっ血性心不全という心臓病になり見つかった時には命にかかわる状況ということもあるのです。

 

 

上記のような症状があった場合は、早めに検査をオススメします。

オークどうぶつ病院では、院内検査で甲状腺ホルモンT4が測定できますので、即日診断可能です。

 

甲状腺チェックにゃ🐾

 

 

中編へと続く。。。

♡しあわせだより♡

2018年04月11日 (水)

こんにちは(・∀・)

動物看護師の深町です🐾

桜があっという間に散ってしまい街中の緑が増えてきましたね!

 

先日は黒猫アミカくんのお誕生日でした☆

今回は白猫だよりちゃんのお誕生日です‼

2002年の4月生まれ🌸

今年で16歳の女の子です(*´ω`*)

 

 

 

アミカくんと同い年!

勤務地は西区です!

 

 

自分から抱っこされに飛びつくのにすぐに逃げたくなっちゃうツンデレちゃんです(〃ω〃)

最近はちょっと甘えたさんになって、抱っこ時間が伸びた気がします!

抱かれたままのゴロゴロ喉鳴りは幸せです♡

名前を呼ぶとちゃんとお返事してくれるいい子(^o^)

スタッフに癒しを振りまいてくれます♡

 

\ ん…? /

 

\ 私に許可なく撮影してるでしょ!! /

 

\ 抱っこしてくれたら許してあげる! /

 

ゆっくりまったり猫生を楽しんでね♡

ボク・・・アミカ

2018年04月05日 (木)

 

 よっ!
 ハジメマシテ。
 
 ボクの名前は、「アミカ」




 
 
 オークどうぶつ病院けやきに住んで早16年
 院長の次くらいにオーク歴が長いんだニャ


 
 特技は
  フードの中に隠れている薬を嗅ぎ分けること
  ケージの鍵開け&脱走 
  ご飯の時間が正確に分かる事(腹時計ってやつだニャ)
  それと・・・新人スタッフいじめ ニャニャニャ~(゚∀゚)°
 
 
 そんなボクも、4/1で 16才になった
 そう 誕生日だったんだ
 結構長生きしてるだろ?
 
 ケーキは無かったけど おめでとうって
 言ってもらって ナデナデしてもらったよ




 毛並みが乱れちゃって 綺麗にするのに
 少し大変だったけど

 でも、お祝いしてもらえるのは
 いくつになっても嬉しいニャ

 
 嬉しくて目からビームが出ちゃったニャ




                   


                          アミカの心の声 代筆 看護師 松島