チンチラに
チンチラって、猫のチンチラでしょうか?
いいえ、ウサギのチンチラです
と言う、やり取りがつづきます
心の内は、
軽傷だろうな、な、な、な、な、な
ってなことを思いつつ、診察します
・・・・・、
・・・・・、
・・・・・、
被害兎②
・・・・・、
生後3日目の子ウサギの災難
恐ろしきはチンチラ
草食動物と言えど、やはり油断はダメ
診察しないで軽傷なんて考えてはダメ
何とか縫い合わせはしました・・・
皮膚は着けばいいが、ほぼ壊死して落ちることが多いのです
しかし、下の方から皮膚が盛り上がってきて、治癒するはずです
仔どもなので治りがはやいことを期待してます
From Oq
よくある主訴です
簡単そうですが、なかなか難しい皮膚の病気です
かゆい病気は五万とありそう (実際に数えたことはありません)
とりあえず最初の検査は、皮膚掻爬検査・・・
木星じゃないですよ
毛に丸い粒がついてますね
弱拡大で、もっと見てみましょう
結構多いゾ
あちこちにある・・・・・卵っぽい
本体を探す
疥癬ダニですね
親ダニと仔ダニと幼ダニと卵の全ステージ勢ぞろい
しかし、10日くらい前にフロントラインプラスを投与してるのに・・・
薬剤耐性の疥癬ダニでしょうね
最近は、強力な薬剤耐性ダニが多いと聞きます
薬用シャンプーをまめにされているので、それで効果が落ちたのか?
そんなことでは落ちないはずだが・・・
そこで今回は、TVCMで流れていましたブラベクトを投与しました
3ヶ月間、ノミとマダニに効くという、飲む薬
(注意:疥癬ダニは効能外なのです、ブラベクトもフロントラインも)
これでもダメならイベルメクチンの頻回投与です
あの、ノーベル賞の薬です
From Oq
内視鏡検査:確定診断
2016年10月08日 (土)
その病理組織学的検査が来ました
検査後4日目です
胃腺がんと言う診断でした
今後はオーナーさんとよく話し合いながら、治療について(外科療法か内科療法)話し合いです
やはり、見た目ではわからないのです
血液検査でもわかりません
尿検査、心電図検査ではわかりません
単純胸部、腹部レントゲン検査でもわかりません
今回の病気でひっかかってきた検査は
腹部超音波検査、内視鏡検査、胃の二重造影検査でした
確定診断が病理組織学的検査です
しかも、内視鏡をしなければ、吐き気がひどいだけで何もわからず・・・・・
胃炎 ?と、いうことになっていました
この結果から治療の幅が狭まり、治療に集中しやすくなるのです
From Oq
内視鏡検査:二重造影
2016年10月07日 (金)
つづきまして、同じワンちゃんに、麻酔が効いてる間に胃の二重造影です
バリウムと空気を入れて胃と十二指腸の輪郭と通過を見ます
横向き撮影と
縦向き撮影
怪しい部分が出てきました
5分後、
主に矢印部分が膨らんでいない
この周辺が内視鏡と合致
何かが押しこんで造影できていない、胃が丸く膨らんでいない
内視鏡が届かない箇所にもありそうだ
胃の二重造影の長所
内視鏡の病変部分をこの造影で、 ”胃の、どの部分にあるか” を確認できる
⇒つまり、オーナーにもわかりやすい、納得しやすい
もしも手術になったら、すぐそこに到達可能
病変は胃の幽門部~十二指腸に多いようですので、その周辺を詳細に検査していきます
あとはこの様々な検査の結果を病理組織検査の先生に報告し、生検の結果を待つのみ
ここでも病理組織検査と言う “検査” が必要になってますよね
From Oq
今回の全行程所要時間
胃十二指腸検査:30分
盲腸、結腸、直腸検査:10分
胃十二指腸二重造影検査:20分
今回はスムーズに終了しました
したかもしれない、と言う主訴
現場は見ていない
どこからか落ちて打ったのかも?
なぜそう思ったのか
なぜ強打したと・・・?
4歳のまだ若い家猫が
向かって左側(猫の右側)上の犬歯が、明後日の方向を向いてる
顔面強打・・・・・?
よく見ますと、
歯根部分に歯石・・・歯周病ですな
歯石もがっちり付いてます
歯の本数が少ないですね
すでに何十本が自然に抜け落ちています
歯の弱い家系でしょうね
麻酔後、歯石除去と抜歯しました
顔面強打ではなく、歯周病で歯が取れそうでした
From Oq
先程の幽門洞~十二指腸のしこりを生検です
画像は正面に持ってきて、
生検です
複数回の生検です
届かなければ生検鉗子を伸ばして、こそぎ取ります
とにかく、何度も生検することが検査の精度を上げるのです
From Oq
よくある主訴です
簡単そうですが、なかなか難しい皮膚の病気です
かゆい病気は五万とありそう (実際に数えたことはありません)
とりあえず最初の検査は、皮膚掻爬検査・・・
木星じゃないですよ
毛の周りに小さな粒粒がついてますね
カビの胞子です
つまりこのかゆい病気は、
真菌症
わかりやすく言い換えますと、水虫
人に感染する病気
投薬と薬用シャンプーの処方です
しっかり人と動物ともに清潔にしましょう
From Oq
1~2ヶ月前から 4~5回/日 吐く、食欲不振の13歳のM.ダックス君が来院デス
最初は胃薬の処方でしたが、体重減少と黒色タール便のため内視鏡検査を実施しました
血液検査では異常なし
尿検査では異常なし
レントゲン検査では異常なし
超音波検査では胃にしこりが認められました
早速、例の内視鏡検査です
食道を通過して、
胃の内部へ
そして、
幽門(胃の出口)から十二指腸内へ・・・これがしこりの正体か?
そして、
噴門(胃の入り口)チェック
黒いのが内視鏡です
反転して自分自身を見ています
内視鏡の長所
腸の粘膜を観察でき、生検できる⇒確定診断に繋がる
内視鏡の短所
全身麻酔が必須
腸の粘膜(内層)しか観察できない
⇒つまり、腸壁の中間層や外層は検査不可能
⇒つまり、腸管に関しての検査は内視鏡や超音波、レントゲンと一緒に実施することで、より精度が高くなる
どんな検査でも単一の検査では全てがわからない、ということです
血液検査だけでもダメだし、糞便検査だけもダメ
組み合わせがとても大切なのです
診断は、そこが難しいところでもあります
何と何を組み合わせて検査すればよいのか・・・・・
何度も何度も検査します
何卒、ご協力をお願い致します
From Oq Oq
オークどうぶつ病院けやきの副院長の前谷です。
内視鏡の機械は、昔からありますが、2年前くらいに新しい内視鏡に変わりました。
オークどうぶつ病院としては、3代目の内視鏡です。
新しくなる度に画質がきれいになり、技術の進歩を感じます。
内視鏡検査の適応とは
内視鏡検査は、なかなか治療をしても治らない「下痢」や「嘔吐」の原因診断として用います。
そこに慢性炎症があるのか、はたまた腫瘍ができているのか・・・。
肉眼的に異常がないように見えても、必ず組織は取って病理検査に提出するようにしています。
犬猫では、肉眼所見のみでの診断は不可能と言われています。
もう一つの適応としては、何かを飲み込んでしまった場合の異物を取るために用います。
実際のところ、こちらのケースの方が使用頻度が高いわけですが、内視鏡では取り出せない異物もあります。
大きくて胃から引っ張り出せないものもあれば、胃から流れたヒモなども無理に引っ張ってはいけません。
内視鏡の機械ってどんなの?
ちょっとマニアックなお話になります。
ここを頑張って読んだら、最後に内視鏡を実際に使ってる動画がありますので、ぜひ見てみてください。
内視鏡は、長さが1メートル40センチのしなやかなチューブを口から入れていきます。
手元のレバーで上下右左に操作しながら、曲がりくねった腸内を進んで行きます。
先端の構造はこうです。
写真のように、腸内を照らす光源と、カメラのレンズ、そして水を出したり吸ったりするノズルもあります。
大きな穴は、そこから内視鏡用の鉗子を出して、異物をつかんだり、組織を生検したりするための穴です。
異物をつかむ鉗子です。大きいものから小さいもの。ワイヤーで挟み込むバスケット鉗子などがあります。
生検に使う生検鉗子です。
アイスクリームのカップのような先端で、胃や腸の粘膜を挟んでつかみ取ります。
取った組織は、ろ紙に載せてホルマリンで固定して病理検査に提出します。
実際に使用した症例の動画
実際に内視鏡を使用した症例の動画を集めました。
今回用いたのは異物を摘出したケースばかりですが、慢性の下痢や嘔吐の診断においても大活躍しております。
※内視鏡には適応症例があります。基本的には、手術時間に予約制で行っておりますので、急に内視鏡をご希望されて来院されても難しい場合があります。ご了承ください。