ハクビシンの腸閉塞

2013年10月05日 (土)

 腸閉塞がきました、しかも、患者さんはハクビシンです。オーナーは触れますけど我々は無理です。チョコっと機嫌損ねると、オーナーも咬まれるとのこと・・・、強敵。

更にこの仔は、16歳7カ月超高齢+糖尿病

 病院に来た時点で、食欲元気なし、飼主に咬みつきかけております。注射麻酔をかけて超音波検査、レントゲン検査実施です。⇒十二指腸付近に食欲ゼロなのに異物があり、ガスパターン。注射麻酔からガス麻酔に切り替えて、飼主と相談。試験的切開手術となり、そのまま血液検査、静脈留置し手術開始。

DSC04956各種検査中

 更にオーナーに聞き取り調査、“3日前にメラミンスポンジ、激落ち君を所望、少し吐いたがとても全部が出ておらず、便が黒くなってきた”

DSC04957開腹すると十二指腸腸管膜に出血跡

DSC04958腸切開は平行に。でました

DSC04959腸縫合は垂直に

DSC04960生理食塩水注入し縫合部に漏れはなし

DSC04963胆汁を吸収し黒黄緑色に

DSC04964麻酔から覚めて即退院

 普通はその日に退院はありません。入院しても触れず、興奮させるだけなので、家での看護としました。抜糸も普通に無理なので、抜糸のいらない埋没縫合にしました。

 開腹は最大の検査、治療なので、膵臓の生検もしました⇒膵臓が脂肪に置換されており、今後糖尿病以外に膵外分泌障害の可能性有り、と診断。今後の生活のアドバイスができました。

 一週間後にはこの仔の写真を見せてもらいました。傷口、食欲など問題なく過ごしているそうです。

 CIMG2605こんなんまで食べるんですね

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オークどうぶつ病院 プロフィール③

2013年10月02日 (水)

 大学の卒業も佳境に入り、国家試験の勉強で必死です。国家試験は年に一回、これを落とすと・・・、考えるだけでも恐ろしいです。ちなみに科目は、と言いますと・・・

家畜解剖学 家畜生理学 家畜生化学 家畜薬理学 家畜組織学 家畜衛生学 公衆衛生学 家畜病理学 家畜病理組織学 家畜寄生虫学 毒性学 家畜内科学 家畜外科学 家畜繁殖学 第2内科学(犬猫) 第2外科学(犬猫) 放射線学 家畜伝染病学 家畜微生物学 魚病学 実験動物学、などです(思い出せないくらいありますyo)。

 授業はこれらの教科に実習があります。もっと恐ろしいのが、この教科にはそれぞれ牛、馬、ヤギ、羊、犬 猫、家禽、課目によってはマウスやラット、スナネズミ、ハムスター、うさぎ、モルモット、ミツバチ、魚(養殖する魚のそれぞれを)を勉強、暗記、⇒国家試験です。

 ちなみに同級生のどんペットクリニック(久留米市):Y羽田先生は繁殖学、宇美動物病院(宇美町):K平先生は第2外科で、共に国家試験合格を目指しておりました。もちろん、O桑(ラッキー動物病院)、F原(オークどうぶつ病院けやき)もです。

CIMG2603

 いまだに国家試験の夢を見ます・・・(-_-;)

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疥癬

2013年10月01日 (火)

 小さなダニが寄生して、激しいかゆみを伴う病気です。

DSC04415渋い表情になっていますが仔猫です

DSC04416耳介に粉っぽいフケが・・・

疥癬猫進行すると肥厚した皮膚と粉が・・・

DSC04420粉を顕微鏡で見ると・・・疥癬ダニ

 野生のタヌキが脱毛して死んでいるという報道ををご存知でしょうか?あの原因が疥癬の感染なのです。かゆみがひどく、眠れず、食べることもできず衰弱して死んでしまうのです。

 疥癬は薬の投与で治ります。また、一回の検査でわからないことも多いので疑わしければ薬をお出しします。

 

 以前、自分が湿疹が治らず皮膚科に行った時、疥癬の検査されました。

 自分           “ せんせぇ~、疥癬なんて今どきいないでしょっ ”

 皮膚科の先生     “ 今、人にも多いんだよ ”

 自分           “  ・・・・・ ”

 皮膚科の先生     “ (顕微鏡を見て)・・・・・・・・・・・・・・   陰性 ❤ ”

 自分           “   ^_^;   ”

 

 

  110海鮮ではなく疥癬です

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猫の尿閉

2013年10月01日 (火)

 尿閉とは尿が出なくなることです。特に♂の猫で、ちんちんの先に砂がつまって、尿閉となります。 

 原因は体質と食事です。特に食事が重要です。シーフード系(かつお節、ちくわ、かまぼこ、いりこ等Mgが多い食事)を与えると危険が増します(全ての猫がなるわけではありませんが、体質が強いとなります)。

DSC04433先っちょに砂が析出、これじゃぁ、尿はでません

DSC04946顕微鏡で見ると結晶いっぱい、合体すると結石となる

pic9-15-3ひどい時には尿道カテーテル留置です

 もっとひどくなると、ちんちんを切除し、尿が出やすい手術をします。♂がなりやすいというのは尿閉がです、♀もこの病気になり血尿をします。

 予防は食事の管理です。また、市販でも低Mg対応や尿石対応と注意書きのフードが出ておりますが、予防とならないようです。

 専用の食事を食べて(動物病院での処方食)、この石を溶かすのが治療法であり、予防法です。治ったと思って普通のフードに戻すと、また再発いたします。

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