内視鏡検査~検査機器の紹介から実際の動画まで

2016年10月02日 (日)

オークどうぶつ病院けやきの副院長の前谷です。

内視鏡の機械は、昔からありますが、2年前くらいに新しい内視鏡に変わりました。

オークどうぶつ病院としては、3代目の内視鏡です。

新しくなる度に画質がきれいになり、技術の進歩を感じます。

内視鏡中

 

内視鏡検査の適応とは

内視鏡検査は、なかなか治療をしても治らない「下痢」や「嘔吐」の原因診断として用います。

症例画像

そこに慢性炎症があるのか、はたまた腫瘍ができているのか・・・。

肉眼的に異常がないように見えても、必ず組織は取って病理検査に提出するようにしています。

犬猫では、肉眼所見のみでの診断は不可能と言われています。

 

もう一つの適応としては、何かを飲み込んでしまった場合の異物を取るために用います。

異物症例画像

実際のところ、こちらのケースの方が使用頻度が高いわけですが、内視鏡では取り出せない異物もあります。

大きくて胃から引っ張り出せないものもあれば、胃から流れたヒモなども無理に引っ張ってはいけません。

 

内視鏡の機械ってどんなの?

ちょっとマニアックなお話になります。

ここを頑張って読んだら、最後に内視鏡を実際に使ってる動画がありますので、ぜひ見てみてください。

 

内視鏡は、長さが1メートル40センチのしなやかなチューブを口から入れていきます。

手元のレバーで上下右左に操作しながら、曲がりくねった腸内を進んで行きます。

 

先端の構造はこうです。

内視鏡先端詳細

写真のように、腸内を照らす光源と、カメラのレンズ、そして水を出したり吸ったりするノズルもあります。

大きな穴は、そこから内視鏡用の鉗子を出して、異物をつかんだり、組織を生検したりするための穴です。

 

生検鉗子シリーズ’

異物をつかむ鉗子です。大きいものから小さいもの。ワイヤーで挟み込むバスケット鉗子などがあります。

 

組織生検シリーズ’

生検に使う生検鉗子です。

アイスクリームのカップのような先端で、胃や腸の粘膜を挟んでつかみ取ります。

取った組織は、ろ紙に載せてホルマリンで固定して病理検査に提出します。

 

 実際に使用した症例の動画

 

実際に内視鏡を使用した症例の動画を集めました。

今回用いたのは異物を摘出したケースばかりですが、慢性の下痢や嘔吐の診断においても大活躍しております。

 

※内視鏡には適応症例があります。基本的には、手術時間に予約制で行っておりますので、急に内視鏡をご希望されて来院されても難しい場合があります。ご了承ください。