オークどうぶつ病院けやきの副院長の前谷です。
暖かくなるにつれ、フィラリア予防の時期が近づいてきましたね。
病院が混み合う前に、この時期にフィラリアの検査を行っておくことも可能です。
犬はもちろんですが、猫もフィラリアに感染することが分かっていますので、予防をオススメします。
その際、各種健康診断の検査も同時に行うことができますので、ご希望の方は担当獣医師にお申し付けください。
犬と猫の心臓病の違い
血液検査で異常を見つけにくい臓器の1つとして、心臓の病気があります。
犬に多い弁膜症(心臓の中の弁が閉じなくなる病気)は、聴診器で心雑音を聞くことで早期に診断することが可能です。
それに対して、猫の心臓病は聴診で診断できることは少なく、水面下で無症状のまま進行します。
運が悪く血栓ができて動脈に詰まった場合は、昨日まで元気にしていた猫の命をあっという間に奪ってしまうこともある、とても恐ろしい病気なのです。
猫に多い『心筋症』を正確に診断するには、心エコー検査(心臓超音波検査)が必要となりますが、暴れてじっとしてくれなかったり、ドキドキして心拍数が上がると心臓内をじっくりと見ることが難しくなります。
もっと手軽に心臓の病気を疑うことができる検査があれば、猫ちゃんたちにかかる負担も少なくなります。
心臓病の可能性を疑うことができる新しい検査の登場
そこで登場したのが、新発売の『スナップproBNP』という検査キットです。
心筋に負担がかかった時に血液中に放出される物質である、NT-proBNP(N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドという長たらしい名前があります・・・)を検出することで、無症状でも気づかないうちに心筋に負担がかかっていないかどうかを、血液を抜くだけで知ることができます。
この検査キットを使うことで、無症状の中等度以上の心筋症の猫の85%を検出できると言われています。
NT-proBNPという検査は、これまでも血液を検査センターに送付することで測定できた検査なのですが、検査結果の報告には数日かかりました。
この検査キットは院内で10分あれば判定できますので、健康診断の一環として心筋症のリスクを知ることができると考えています。
こんな時にご提案するかもしれません・・・
・心筋症になりやすい品種の場合: メインクーンやソマリ、アメリカン・ショートヘアなどの猫ちゃんは、若くても要注意です。
・聴診して心雑音やギャロップ(馬が走るような心調律)などの異常があったとき
・健康診断の一環として、心臓病の可能性を否定したいとき
・呼吸が苦しい、咳をするなどの症状があって、心臓病からの可能性を否定したいとき
・心臓病が疑われるが、猫が大暴れして超音波検査が難しい場合
検査費用は、¥4,500(税抜き)となっております。
純血種の洋ネコちゃんを飼っていて心配な方や、健康診断の一環としてご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。